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『青春満喫イチゴ狩ツアー①』(前編)
『なにこれっ、マジ美味いんだけど!』

こんなに美味い、お好み焼きは久しぶりだった。
いや、雰囲気もあわせると、こんなに美味いお好み焼きは初めてかもしれない。

皆、口々に『美味い、美味い』言って、口に運びこんでいる。
一口食べては、顔を見合わせて、『やばい、これ!』と、はしゃぐ自分。
周りを見渡すと、たくさんの笑顔があふれてる。

こんなにたくさんの笑顔を、同時に目の当たりにすると、
どうしようもないくらいの嬉しさがこみ上げてくる。


3月25日土曜日。午後9時過ぎ。
場所は千葉・南房総の三芳村。
小高い丘の上にある一軒のログハウスの中では、20代の10人が2台のホットプレートを
取り囲んで、目の前の『手作りお好み焼き』に夢中になっていた。


時を少し戻して、2月の中旬。
大阪の居酒屋で、大学時代の友人と飲んでいたときのこと。

『ねぇ、今度さ、千葉でイチゴ狩りツアーやらん?』と、多少ほろ酔いながらも、
確かな気持ちで持ちかけてみた。そうすると、思ったより反応が良かった。

『マジで千葉まで来るの?』とか内心思いつつも、それならと、
すぐにその場で日程を決めたのだった。

そして、3月25日昼頃。
いざ当日集まったメンバーは最初7人。
3人は高知大の同級生、その同級生Mの元職場友達1人、そして自分の高校時代の同級生2人。この男4人、女3人というメンバーで車2台に分乗して、千葉の最南端へ向かった。

青空の下、海で遊んだり、お茶したり、スーパーでたくさんの食料をわいわい言いながら買出しして、夕方、宿泊地である三芳村の『ファームイン南房総』へ。

この三芳村は、最近合併して、南房総市と名を変えたが、それまでは千葉県で
一番人口が少ない純農村。有機農業従事者が多いことでも知られるところだ。
なによりも驚きが、村に信号機が1つしかないこと。
自分が住む同じ千葉でも、こんなところがあるとは知らなかった。

そこの農業体験者用宿泊施設ということで、建てられたのが、今回の宿泊地なのだが、
2階建て(ロフト)で、台所つき。
冷蔵庫、コンロ、電子レンジ、炊飯器、食器などといたれりつくせり。

最初、車を運転しながら、前方の小山の上に建つこのログハウスが見えた時、胸おどらせな
がらも、『どこが山の頂上への入口かわかんねーよ』と車を行ったり来たりさせていた。

えいっ、と入り込んだ恐ろしく狭い急な登り坂を上り詰めたそこには予想よりも立派なログハウスがあった。ひとり、裏手に回りこみ、庭に出ると、そこからは、村が一望できた。

夕暮れ時のオレンジ色の空の下、、畑の中にぽつんぽつんと点在する家からは温かい光がもれている。そしてその脇の曲がりくねった道路には、都会に比べると極端に少ない街灯の白い光がやけに目だって、その存在を主張していた。
耳をすませると、虫の鳴き声の中にカエルの鳴き声。時折、犬の鳴き声が遠くから聞こえる。
静かに流れる、日本の優しい時間。

もうすぐ僕らの楽しい夜が始まる。                  つづく。
by shuxaku | 2006-03-30 01:22 | +++ Travel +++
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