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カティン、カティン。
カティン、カティン。_b0069430_052731.jpg突然の雨だった。
強風が吹き始めたと思った、次の瞬間の土砂降り。

無防備だった僕は、大慌てで付近の軒先に逃げ込む。
道中にあふれていた、モン族の子らもキャアキャア言いながら、軒先に逃げ込んでくる。

2004年8月の出来事だった。

場所は、ベトナム最北部の山岳地域の町サパ。
モン族をはじめ、数多くの少数民族が住むことで知られるエリア。
標高が高いところにあるため、首都ハノイでのうだるような暑さから解放され、
僕は心底くつろいでいた。

ここには、ハノイではあまりにも高すぎる雑貨の買いつけにやってきていた。
一番の目当ては、少数民族が作るシルバーブレスレット。
各民族によって、模様のつけ方が全然ちがう。たどり着く前はそういった知識がゼロだが、
この狭いエリアにさすがに5日もいると、それぞれの民族の特性がわかってくる。
出会ったモン族やザオ族の子らにいろいろと教えてもらえるからだ。

前日まで、スペイン人夫婦、フランス人青年と近郊の村を2泊3日で一緒にトレッキングしていた。もちろん日本人は自分1人だったし、英語も片言程度だから、コミュニケーションに不自由さはあったけど、道々に現れるモン族の子らと無邪気に遊んでたから、かなり満足度の高いトレッキング内容。トレッキングの最中にいろいろと雑貨情報を仕入れることが出来た。

そのトレッキングの疲れを癒すために、翌日のんびり街中を散歩してるときに、
突然降り出した雨。

勢いが半端じゃない。まさにバケツをひっくり返したような大雨。
なかなか降り止まない雨を、半ばあきれたように灰色の空を眺めていると、
「カティン、カティン」と奇妙な音が聞こえた。

思わず音のした方に目を向けた僕は、ひとり噴出してしまった。
それを見た隣で雨宿り中のモン族の子も笑ってる。

「カティン、カティン」の正体は、金タライにあたる雨の合奏。(笑)

なんて素敵な光景なんだろう。夢中でシャッター切りました。

カティン、カティン。_b0069430_2357427.jpg

カティン、カティン。_b0069430_0403322.jpg


この街は、傘がなくても、頭を使えば全然大丈夫だ。
by shuxaku | 2006-09-13 23:52 | +++ Travel +++
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