スロースタイル
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南房総の山の奥。
そこはカーナビにも表示されない細い農道を、しばらく行ったところにある。
近くには日本の原風景と思えるような棚田が広がっている。

車を止めて徒歩で15分くらい坂道を歩いたところにある、こんな山奥の広場で、お祭りが行われているなんて、誰もが想像できないんじゃないかと思う。

木々に囲まれたステージで、そのアーチストの演奏が終ったとき。
静寂を打ち消すように、ヒグラシの鳴く音が森中に広がっていた。
「カナカナ・・・」と郷愁を感じさせて響き渡るこの音は、昔から好きな音だった。

夕陽の光が斜めに差し込み、頭上を見上げると、葉っぱの向こう側の青い空に、
一番星が輝いていた。見るもの、聞こえるもの、感じるもの、全てが美しくて、僕はなんともいえず、思わず空に向かって「ありがとう」ってつぶやいていた。

フジロックから駆けつけてきたアーティスト、翌日フジロックに出演するようなアーティストが、人の縁を通じて、この祭りの趣旨に賛同して、ライブに出演していた。とても近い距離感がなんとも言えずよくて、聞く人のスタイルも人さまざま。いろいろなアーティストが出ていただが、印象に残ったのは、ジャンベのセッション。最近、自分がジャンベを始めたばかりということもあるせいか、そのリズム感、超技には度肝を抜かれた。
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ダンサーには加藤登紀子さんの三女が出ていて、登紀子さんも参加しての親子でのダンスだったり、次女のyaeさんが歌ったり、見ていてとても気持ちがよくて、幸せいっぱいのステージだった。アドリブだらけのステージは観ているほうもワクワクしてくる。


b0069430_23425742.jpgアーティストが演奏する後ろの屋根では子供が遊んでいたり、本当に気持ちのいい場所で、自分も将来こんな場所を作りたいと思った。


















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出展しているお店も、千葉の有機野菜を使ったいろいろなご飯や、オーガニックの服や布、地元の方が作った陶器と、どの店も味があって素敵だった。ここで、飲んだ「夏みかん」をその場でしぼったジュースはかなり美味しくて、僕も同じように、作ろうと思った。
(今日、早速搾り器を買ってしまいました・・・笑)

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夜は、竹の手作りキャンドルに囲まれた中、サーフ映像と音楽のセッションで、独特の美しい世界に引き込まれつつも、同時に放射能が海に流されていることを知った。青森・六ヶ所村の原発問題で、まだ試験稼動中にも関わらず、地元の小学生が2人、白血病になったことを聞いた時は、あまりにもショックだった。この原発稼動を止めるために、日本中のサーファーがアクションし始めていること、同時に今の自分に出来ることは何だろうって思わずにいられなかった。

祭りからの帰り、友達と車で帰宅中も、その話をした。僕は千葉が好きだし、日本が好きだ。けど、あきらかに不要と思えるものを、いろんな理由をつけて、あえて作ろうとする、そういうのは好きじゃない。ダムでも、川の堤防でも、どう考えても要らないんじゃないか、と思うことが多いし、この原子力発電所だってそうだ。作った後に、後悔しているところだって、いっぱいあるというのに・・・。



翌朝、僕は7時過ぎに起きて、朝ごはんを作り始めた。
玄米ごはん、ジャガイモと玉ねぎと海草の味噌汁、地大豆で作られた納豆と冷奴、トマト、キムチの簡単なメニューだけど、久しぶりに朝からきちんとご飯を作った。
部屋の台所からは、すぐ目の前には名も知らぬ赤い花があって、その先には緑色の芝生が広がっているのが見える。(借景ですが・・・笑)
そして、その太陽の光と朝露の中でキラキラ光る景色を眺めながら料理をしていると、なんだかいい一日がはじまりそうな、嬉しい気分になる。

チリンと風鈴が鳴って、その音で友達は目覚めたらしく、それから朝ごはん。玄米ご飯には、黒ゴマをすり鉢で潰したものと天然塩を合わせたものを振りかけた。
朝の光の中でゆっくり食べるご飯は、一日のはじまりにふさわしい、いい時間だと思う。
ご飯を食べ終わってから、僕が大学友達の送別の時に作ったDVDを見て、外に出かけた。 

夕方、友達を駅まで送ってから、僕は部屋のベッドの上で小説を読み始めた。
本を読み終えて、余もので作った晩御飯を食べていると、突然ドーンと花火の打ちあがる音がした。今日、花火があるなんて知らなかったけど、ビーチサンダルを突っかけて、外に出てみると、雨雲の中で花火が光っていた。低い雲の中で花火の光が広がる風景は、なかなか見れるものではないだけに、その妖しげな光がとても綺麗に思えた。

花火が終り、部屋に戻るとドアを開けた拍子で、風鈴がまた鳴った。
幸せは自分の心が決めるというけれど、本当にその通りだと思った三日間だった。
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by shuxaku | 2007-07-29 23:44 | +++ Diary +++
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