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地下足袋からはじめよう。
今考えたら、26歳最後の買い物はホームセンターで買った『地下足袋』だった。
これが自分への誕生日プレゼント(笑)

畑用に長くつが欲しいと思って、ホームセンターにいったのだが、案の定自分好みの長靴はなかった。まあ適当に買おうと思い、サイズがちょうどのものを見つけ、レジに向かう途中、ヤツが目に飛び込んできた。

シンプルで古風なんだけど、履き心地がよさそうな地下足袋。
しかも、形はなんだか妖しくて「忍び」になれそうな気がしてくる。
瞬間的に、そう思ってしまったのだ。
長靴を元の場所に戻し、地下足袋を履いてみて、ひとりで満足。
というか、ご満悦・・・(笑)

その翌日、頭にタオルを巻いて、中国で買ったナイキのウィンドブレーカーに、
無印のカーゴパンツ、その下に地下足袋という格好で、いざ歩いて20秒の畑へ。

土を掘り起こしながら、地表にある雑草や土の下にはびこる根っこを取り除いていく。
シャベルや鍬を使い、一人もくもくと半日かけて、畑のほぼ全ての土を掘り返した。

途中、地表から30cmくらい掘ったところから、土にまみれた「カエル」や「トカゲ」が出てきた。小さな事だけど、生まれて初めて、冬眠中のカエルやトカゲを見たから少し驚いた。学校では習ったけど、本当にまさかこんな地中にいるなんて思いもしなかった。

せっかくこれからの冬を越すために寝ていたのに、起こしてごめんよとか思いながら、
また別の場所に埋めてやった後で、生き埋めで大丈夫なんかな?とか考えてましたけど。

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この日昼前から日が暮れるまで、ずっと土の中に足を突っ込んだりしていたのに、
地下足袋のおかげで、靴の中への土の侵入はなかった。
実用的なだけでなく、地表の凸凹感がダイレクトに伝わってくる気持ちよさ、
この履物は素晴らしい。

ちょっとずつ、自分の周りの地下足袋人口を増やしていこう、そうたくらむ27の冬。
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by shuxaku | 2005-11-25 23:22 | +++ Farm +++
横浜中華街での出来事。
23日、『午後6時半に中華街の朝陽門に集合』というメールをもらった。

が、横浜なんてほとんど行かないし、まして中華街なんて、皆無に等しい。
考えたら神戸の中華街にしか行ったことがなかったし、朝陽門ってどこだよ、と思いながら石川町の駅を降りた。それから中華街に入り、いくつもの門があるが、それらしい門がない。

まあ、そのうち見つかるだろうとどんどん進んでいくと、中国語が至るところで飛び交っている。「おぉ、すげぇ~」考えたら当たり前なんだけど、そんなことに感動しつつ、いろんな売り子から片言の日本語で話しかけられる。彼らのほとんどが中国人だが、日本語もペラペラのよう。

結構進んでも、それらしい門が現れないから、売り子の一人に聞いてみた。
けど、この「朝陽門」って字、「ちょうようもん」と読めばいいのか、「あさひもん」って読めばいいのかわからなかったから、朝陽門って書いてある携帯のメールを見せつつ、近くの売り子に話しかけた。『このちょうようもんってどうやっていけばいいですか?』って。

彼は僕の手の中の携帯の文字を読みながら、『ちょ・う・よ・うも・・・・』
あまりにもたどたどしかったから、今の日本語がわからなかったのだろうと思い、
中国語に切り替えて聞いてみた。
『不好意思, 到朝阳门怎么走??』(この朝陽門までどうやっていけばいいですか?)

それでも怪訝そうな顔してたから、自分の発音が悪かったのだと思い、
『这个朝阳门,在那里?』(この朝陽門はどこですか?)と改めて言い直してみた。
彼は考える素振りは見せるけど、反応があまりなかったのものだから、
この人は知らないのだろうと思って、『謝謝』と言って、立ち去ろうとしたら、

彼はいきなり、『・・・すみません、僕日本人なんで中国語わかりません』と
ふつ~に日本語で答えた後『I can not understand Chinese』と英語で言ってきた。


ええぇっ、今までの自分の中国語はなんだったの??と内心恥ずかしい気持ちと
しかも俺、何人だと思われてるんだろう??という不思議な気分で、
苦笑いしながら、日本語で流暢に「すみません、僕も日本人です。ありがとうございました」といって、その場を離れた(笑)


その後、友人らと中華料理屋でご飯食べながら、その話をすると大爆笑。
久しぶりの貴重なカルチャーショックでした。
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by shuxaku | 2005-11-24 00:28 | +++ Diary +++
27歳になりました。
今日21日、僕は27歳になりました。

このブログが産声をあげたのが、去年の今日。
その時は正直、どのくらいこのブログが続けていけるかわからなかったけど、
今もなんとか続けることができています。

これもひとえに皆様のご支援の賜物だと思っております。
少し、かしこまった言い方だけど、本当にありがとうございます。

去年から今年までのこの一年、どのくらい自分が成長したかなんてわからないけれど、
反省を踏まえながらも新しいことを始め、仕事でも趣味でも、興味あることでも、自分が本当に正しいと思ったことはやり続けようと思っています。


昨日(というか今日)寝たのが、午前2時。それから6時過ぎに起きるまでの間に見た夢を
鮮明に覚えている。いい夢かと言われたら、「よくわからない」不思議な夢だった。
しかも夢って断片的にしか思い出せないことが多いんだけど、今日に関しては最初から最後まではっきり覚えている。ストーリにすると、30分以上くらいの長さを夢をはっきり覚えているなんて、初めてのこと。

自分の誕生日にこんな夢見たから、ちょっと奇異な感じがしてるけど、そこから受け取ったイメージは『たくさんの苦難があっても、それを乗り越えていけ』というモノのよう。

これから自分が作り出していく未来、
たくさんの人に支えられている事に感謝しながら、
自分の信じる道を自分らしく生きたいと思います。
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by shuxaku | 2005-11-21 06:28 | +++ Diary +++
ここ最近・・・。
僕が今まで関わってきた仕事の中で、一番大きな仕事を抱えている。
この一回のプロジェクトで、レクサスが簡単に買えてしまうくらいのお金が動く。

自分はこのマスターを制作する立場として、自分次第で、このプロジェクトの方向性をいかようにも変えることができてしまうため、プレッシャーを感じながらも、今とても程よい緊張感の中にある。
続いてきたものが、明日いよいよ自分の手で最終形となり、海外の工場に羽ばたいていく。

明日幕張メッセの展示会でとある取引先のブースに挨拶行った後、プロダクションの方と待ち合わせをして、その会場でこのマスター素材を受けとる。
今日そういう事に突然決まった。

本当はゆっくり展示会をまわるつもりだったのに、それどころじゃなく、その素材を受け取った瞬間から、その事で頭いっぱい、お腹いっぱいになりそうだ(笑)

まあいい。まもなく終わるこの26歳という歳から、ひとつ上の歳に向かう
いい通過儀礼になるだろう。そう信じて頑張ろう。

・・・それにしても今夜は寒いなぁ。
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by shuxaku | 2005-11-16 23:41 | +++ Diary +++
はじめる自給ファーム。
自分のやりたい方向へ、興味のある方向へ進むために、ちょっとずつだけど出来ることをやろうと思った。今の仕事を犠牲にしないで、両立できるようなこと。

そのまず最初が、『自分の食べるものを作ってみる』ということ。

将来、自給自足の願望があるけど、未だほとんど農業やったことのないど素人が、いざ自給自足を始めるときに、「こんなはずじゃなかった」という思いだけはしたくないから、今の自分に出来るひとつのことをはじめてみよう、それがキッカケ。

問題は場所だった。近所の市営農園の一区画を借りることができるそうだが、なんだか責任重大なようで、気軽にやりたい、そして実験をしてみたいという自分には止めておいた方がいいという心の声があり、それは却下した。

結果的に選んだ場所は、会社の建物の裏にある使われていない土地だった。
会社に来るお客さんの目には触れないし、端っこだし、そこなら誰にも迷惑をかけないと思ったからだ。そして、場所代がタダというのも大きな理由のひとつ。
仕事前の朝の時間に、手をいれれば、仕事にも影響はない。
社長の了承もゲット。

午前中は建物の関係で日陰になるが、昼辺りがだんだん日向になり、
夕方まで陽があたる場所で、大きさは長さ25m×幅4mほどの細長い土地。
土地はやせていてあんまりよくないという話だった。

まあ期待されていないだけ、すごくやりやすい。
しかもこれだけのスペースをただで出来るなんて、本当にラッキー。
もし大量に出来たときは皆様に裾分けしたらいいし(笑)

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それにしても、この雑草の量半端じゃない・・・。
(写真ではわかりにくいけど、本当に「雑草の森」です)
けど、素人的思考で考えたら、これだけの雑草が生える環境なら、野菜だって育つはず!
そして草刈すること、3時間。
縦横無尽に根を張り巡らす「篠竹ネットワーク」(勝手に命名)には悪戦苦闘したが、
何とか一日目、雑草刈りと、ゴミの片付けは終了。(小さいことは目をつぶって。。。)
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でっかいミミズも数匹いたから、まあ有機農業はできるでしょう。
次は「土」作りの要、堆肥作りにチャレンジです。

それにしても、本当にいい汗かきました。。。
滴り落ちる汗が、畑の肥料になってくれないかな。

目指すは『自家製有機野菜のホームバーベキューパーティー』!!
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by shuxaku | 2005-11-13 23:26 | +++ Farm +++
チベットの映像をみて
日曜日の午後、僕は渋谷のミニシアター『UPLINK』に来ていた。
目当ては、この日に上映される3本のドキュメンタリー映画
すべてチベットに関わる内容のものだった。
3本の映画と在日チベット人広報官のトークショーで、2600円という内容だったのだが、
とても意味のある体験だった。

チベット難民、チベット仏教、ダライ・ラマ・・・。
一般的に知られる、その限られたキーワードの中で展開される映像。
その内容は中国政府によるチベット弾圧に関するもの無しには語れないために、
悲惨なものが多いし、本当に悲しくなるようなテーマばかりだ。
本や人から聞いていた話ばかりだったものを、映像で見ることによって、そのリアルさがダイレクトに伝わってくるし、毛沢東時代のラサ蜂起が起こった日の映像なんかは、暴力に溢れ、見ていて、苦しくなってきた。この映画によって、自分が知らない世界をまた知り、ますますチベットへの関心が高まったのは事実。

今なお毎年2000人を越えるチベット人がヒマラヤを越えて、他国(インド、ネパール)に亡命しているという事実。

ノーベル平和賞を受賞しているダライラマを危険人物ということで、マークする中国政府。

そのダライラマの「中道」の提案を一切無視し続ける中国政府は、
70歳になるダライラマの死をただひたすら待っているようだ、といわれる。

僕は中国が好きだし、たくさんの素晴らしい中国人を知っている。
けど、彼らはそのチベットで起こっていることを知らない。伝えられていないのだ。

それは、日本が朝鮮を占領していた時代、朝鮮の人々に対してしていたことが、
多くの日本人に伝えられていないように。

自分も知らない事は多いし、中途半端な知識は、とんでもない誤解を招く可能性があるのは
十分承知の上だが、自分が知る限られた情報の中で、思い、考えることは、とても大切な事だと感じる。そして、それを外にはき出すことも。

もちろん言葉は主観というフィルターを通して、作られる。
つまり、言葉や表現はそれで武器にもなりうるだけに、自分の放つ言葉には責任があるわけだが、そんなのお構いなしに、発言したくなるときもある。

そう、熱い何かに触れたときは。
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by shuxaku | 2005-11-09 23:16 | +++ Diary +++
in my room.
今朝、自分の目の前で起きてることが信じられなかった。

一匹のスズメが自分の布団の上にいたのだ。
ありえない・・・、部屋の窓は全部閉めているはずだ。

とりあえず、逃がすしかないから、部屋中の窓を全て開け、
「うらっ!うらっ!」と言いながら、スズメを追い立てる。

5分後、スズメは無事に部屋の外へ飛び立っていった。

とりあえずは一件落着だが、どこから入ってきたのか解せない。
部屋の窓は全て閉まっていたのに、いったいどこから入ってきたのだろう。

そして、僕はキッチンの「換気扇」を疑った。
やっぱり・・・。外との世界が楽に行き来できるだけのスペースがそこにはあった。

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これで、全ての謎が解けた。
11月に入ってから、夜は冷え込むから全ての窓を閉めているのにも関わらず、
次から次へと「蚊」が襲撃してくる。殺しても殺してもだ。
どうやって入ってきてるんだろう、と不思議に思っていたが、恐らくこの換気扇のところから
入ってきてるんだろう。

とりあえず、なんかフィルターでもつけよう、そう思った土曜日の午前。

あまりにも、天気が良くて気持ちよかったから、そのまま部屋の窓を全開にして、
部屋の中を掃除して、庭の土いじり。
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パキラ、オレンジジャスミン(月橘)、唐辛子、アキニレ・・・、
四街道もいよいよ寒くなるけど、この冬を越えてくれよ。
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by shuxaku | 2005-11-05 13:31 | +++ Life +++
踏切りはスタートライン。

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2年ちょっと前、まだ僕が都内に住んでいた頃。僕は杉並の代田橋の家から10キロ程離れた港区の三田の店(職場)まで、毎日チャリンコで通っていた。

井の頭通りを曲がり、東北沢の商店街入口にある、開かずの踏み切り。
毎朝毎朝あまりにも長く待たされるから、自分と同じようにチャリンコにまたがっている者同士、ちょっとした顔見知りになる。といっても、そこに挨拶はないのだけど・・・。

これは多分、この渋谷に程近い世田谷という場所的なものが関係していると思うが、踏み切り待ちしているメンバーのほぼ全員が、いいチャリンコに乗っている。マウンテンバイク、ロードレーサー、クロスバイク、折り畳み自転車。普通のママチャリの比率が非常に少ない。10人くらい踏切待ちしてるとしたら、その8,9人はカッコいいチャンリンコに乗ってる。
皆、自分のチャリンコラブな人たちばかりなのだ。自分も含めて。

だから、タチが悪い。
踏み切りのバーが開いた、その瞬間から僕らのレースが始まる。
皆、われ先にと、スピードを上げていく。僕はその頃、ダホンというメーカーの折り畳みチャリに乗っていて、それでもまあまあ早いスピードは出るのだが、競走する相手が悪すぎる。
順位でいうとビリの方になる。ギヤは一番硬く、早いやつにしてるのにも関わらず、まるでそれが空回りしてるかのような錯覚に陥るくらい回転させてるのにだ。

別にそんなにムキになることないじゃないか・・・と自分でも思う。

けど、自分をそうさせてくれない人間がひとりいた。
彼は格好はスーツなんだけど、尖がったヘルメットに、グローブ、靴も革靴ではなく、そのペダルに合うような専用の靴を履いている。足元のズボンの裾の部分はバンドで巻いて、ひらひらしないように。僕からしたら、なんてヘンテコリンな格好してるやつなんだろうって思うのだが、その気持ちが相手に伝わったのか、コ憎たらしい態度をあからさまに取ってくる。
僕はある時から、心の中で彼のことをトンガリ君と呼び始めた。

踏み切りのバーが開いた最初の方、トンガリ君はいつも後手なのだが、それは人を追い越す事が快感のようで、そのためにわざと後についているような感じなのだ。
僕を追い越すその瞬間に、横目でちらっと僕を見て、ニヤっとする。そしてたまに口笛も吹いてくる。「・・・?」初めてこれをされた時は、本気でバカにされたと思い、クソっとか思いながら必死の抵抗を試みたが、車輪の大きさ、ギヤ比があまりにも違いすぎて、全然追いつかないのだ。
週に3,4度、彼に追い越される、そんな日々がしばらく続いた。
当たり前だが、連戦連敗だった。。。

そんなある時、僕はもう一台自分のチャリを買う事になった。前のチャリが故障して、修理費用もバカにならなかった事、毎月30日間働いていた自分へのご褒美の意味もあった。
そこで新しく買ったのが、ビアンキというメーカーの「バックストリート」というチャリ。一見マウンテンバイクのような形だが、タイヤは少し細めで、クロスバイクと言われるタイプになる。「チェレステ」と言われるエメラルドグリーンの色が特徴のチャリンコだ。

そのチャリンコに乗り始めた冬のある日。いつものように踏切の音が止んで、黄色と黒のバーが上がる瞬間、僕はゆっくりこぎ始めると、すぐにトンガリ君がやってきて、僕のチャリンコを一瞥すると、いつものように得意気に僕を追い越した。僕は心の中で笑った。

「今日からちょっと違うもんね~」そんな気分で、僕も少しずつスピードをあげはじめた。
渋谷区松濤の辺りで、一気に追い抜いた。んで、「俺も意地が悪いな」と思いつつ、チラッと相手を横目に追い越してみた。その時の彼の顔といったら、本当に傑作だった。
思わず噴き出しそうになるのを押さえ、そこからまた越されては困るので、必死にチャリを走らせた。代官山から駒沢通りに入り、恵比寿駅前を通過した辺りで、ペースを落とした。
明治通り沿いを走りながら、心の中でガッツポーズ。

それからは気乗りしないときを除いては、彼に追い越されて、また追い越す事が朝の小さな楽しみで、結構いい運動にはなっていた。今考えると、とても危ないし、やってることがまるでガキンチョだけど、そういう小さな楽しみを毎日職場で報告していた頃を懐かしく思う。
さすがにもう成長しましたけど・・・・。
ふぅ、ちっとも、スローじゃないね。
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by shuxaku | 2005-11-04 23:00 | +++ Memory +++
戦場のメリークリスマス。
今日、移動中の車のラジオで今年初めてのクリスマスソングを聴いた。
ずっと忘れていただけに、あーもうこの時期が近づいてきたのだと、
なんだか懐かしいような気分になった。

運転しながら、過去のクリスマスを無意識にいろいろと思い出していた。
今まで26回のクリスマスを経験したはずなのに、はっきりと思い出せるクリスマスは
あまり多くない。
子供の頃はその季節がやってくるのが楽しみで、毎年ケーキを囲んで過ごした。

二十歳を過ぎてからのクリスマス。
ある冬は友人と飲みに行って、記憶飛ばして、公園で横たわっていた。また別の冬は友人と暖かい部屋で鍋をつつきながら飲んでいた。そしてまた別の冬は夜の東京を背景に友人を撮影していた。平和に(?)過ごすクリスマスイブが多い中、そうじゃないクリスマスもあった。

大学を卒業した年、2002年のクリスマスイブは、今なおはっきりと覚えている。
当時、外食コンサルタントとして新大久保で働いていた。派遣先の他会社の赤字のフランチャイズ店舗に自分の会社の上司が店長として、そして自分は店長補佐という形で派遣され、その店にもともといたパート・アルバイトらと共に店を建て直していくマネジメントが要求された。
ちょうどクリスマスイブの日、店長である自分の会社の上司と僕は衝突した。

早く帰れる日だったが、「甘い」と言われ、なんだかむしょうに腹が立って、ヤケクソの気持ちで、「ここにあるチラシを全てポスティングしてから帰ります」と店のチラシをちらっと見ながら店長にそう言い放った。そのチラシはアルバイトの子らが1週間かけて配る予定のチラシで、相当な量がある。無茶だとわかっていながらも、そうでもしないと気持ちが落ち着かなかった。

「お前が帰ってくるまで、待っててやる」という上司の言葉を背に、チラシを自転車のカゴにつんで、外に出た。ポスティングだから、人の家にポストに入れなければいけない。
その時は夕方7時で、普通にやったら朝までかかる。一気に配りたかったから、近くの団地やアパートなど、ポストが1ヶ所に集まっているところを集中的にポスティングしていった。

この大久保というところは、新宿歌舞伎町の北側にあるから、夜になるといかがわしい人がたくさん出てくる。深夜11時過ぎから、自分が乗る自転車の先々に、いろいろな世界が展開された。道の暗いところに東欧系の金髪のオネエサマ達、アジア系のオネエサマ達が並びはじめ、ニューハーフに、おなべに、ヤ○ザのものだと思われる黒塗りベンツの列・・・。
別に自分に迷惑がかからなければいいのだが、暇そうなニューハーフ2人組に自転車のハンドルと荷台を捕まれそうになった。
クリスマスパーティーの帰りだと思われるサンタの格好した若者の集団、仲良く手をつなぐカップル、夜の大久保通りで大声でジングルベルを歌うサラリーマン。
「アホらし・・」と思いながらも、皆、自分から見たら華やかな世界にいるようで、うらやましかった。

そう思った瞬間、すごくみじめな感覚を味わった。
叫びたくなるくらいに。

真冬の寒さが痛いくらいに体に染みてきていた。

全てのチラシを配り終え、午前3時過ぎに店に戻った。
あの状況で言った言葉だから店長は待っているとばかり思っていた。
だが、店長はすでに帰ったという。
彼女とデートの約束があるからと、僕が出かけた後すぐに帰ったらしい。
話が違うじゃんと思いながら、僕はその晩、また歌舞伎町に戻り、歌舞伎町のマンガ喫茶を
探した。朝まで仮眠できる場所を探したが、そういう時に限ってどこも満席で、5軒目のマンガ喫茶でやっと落ち着くことができた。イブの日にマンガ喫茶で時間つぶすなんて、皆何やってんだよと心の中で悪態をつきつつも、そこにいる誰よりも自身に対して、何やってんだよという気分だった。複雑な思いが心に刻まれた、忘れられないクリスマスになった。

去年のクリスマスイブはチベット・ラサ市のヤクホテルの一室で高山病と風邪と戦っていた。
眩暈、吐き気、頭痛、発熱で22日から25日までずっと寝込んでいて、目を覚ましては
自分はチベットに歓迎されていない、もうこのまま帰ろう・・・と考えていた。
もしかしたら、自分を知る人が誰もいないこの地で、
このまま死んでしまうのではないかとも思い、自分の行動を後悔しそうになった。

その頃、上海に住んでいた自分には付き合っている彼女がいた。いろいろ考えた末に、
彼女にチベット行きの話をした時、「行ってきなよ」と答えてくれた。
彼女の周りの友人らからは「やめなよ」、「一緒にいなよ」と言われ、自分はひどいことをしているんだろうなと思いつつも、自分の行動を止めることは出来なかった。
自分の前では「私のことは気にしないで、行ってきて」と言ってくれた彼女のその言葉だけを受け容れて、それ以外のそこにある真意を深く考えようとはしなかった。

ラサでのクリスマスの25日、僕はやっと体を動かせるようになり、
自由に動ける体、これこそ、クリスマスプレゼントだと思った。
今思えば、その日から、自分の中で気持ちの持ち方が少し変わった。


中学生の頃、東京ラブストーリーっていうドラマを見たときに、東京での大人のデートに憧れた。
そして自分も大人になったら、ロマンチックなクリスマスを過ごしたいと思っていた。
どこかの高級レストランで、ワインを傾けながら・・・、という光景を
家族と過ごすクリスマスの夜、テレビを見る度に妄想していた。

それなのに、今までクリスマスを彼女と二人きりで過ごした経験は一度もない。
恐らく小さい頃に感じていたクリスマスに対するこだわりというのが、薄れてきたからだと思う。
ただ、このイベントに便乗して友人となら何かをやらかしたいという思いはあるのに、
なんだかこの気持ちを自身のことながら不思議に思う。
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by shuxaku | 2005-11-02 00:38 | +++ Memory +++